maratz MM8003 を使ってみた
私は映画をしばしば観るため、最近はAVアンプで音楽も聞く事が多くなりました。
ですが少しでも音質アップをしたいな・・・と考え、それならパワーアンプをグレードアップしてみてはどうかと思い至りました。
現在のAVアンプをプリアンプとし、マルチch対応のパワーアンプに接続して音を出す方式です。
マルチchのパワーアンプは種類が限られますが、比較的 手の届きやすかった
maratz MM8003を購入。
marantz MM8003
重量が17.9kgと結構な重さです。
重さ=音質というわけではないのでしょうか、何故か期待してしまいます。
AQUAPLUSというゲーム会社が出しているSACDですが、とにかく音質が素晴らしい。
その中でも6曲目の「POWDER SNOW」は、ボーカルの定位と生々しさ、各楽器の繊細な響きと全体の静寂感がハンパありません。
私の中の名盤です。
PS3が一緒に奏でるファンの騒音に目を瞑り、AVアンプ VSA-AX1AHと比較するためLet's play!
・・・・・・・えーっと
全体的に軽い、つまり低音が出ていない。
聞こえない音がある、それは解像度が低いから。
とても悪いです。
残念感がハンパではありません。
普通のAVアンプに勝る点がミジンコも感じられない。
低音の無さは他の追随を許さず、完全独走態勢です。
そして決定的に違ったのは、ガラスチャイムの音。
VSA-AX1AHはガラスチャイムが余韻も含めて3秒ぐらい聞こえるのに対し、MM8003は1秒ほどで切れ、余韻もへったくれもありません。
思わず
みじかっ!!w
と声を出してしまいました。
この曲はラストの辺りで2度、美しいガラスチャイムが響き渡り、Suaraのしっとりとしたボーカルと相まって、何とも言えない余韻を残して終わるのですが、見事にぶちこわして下さいました。
ど、どういことだ!
パワー部だけに特化した機器にも関わらず、この何の特徴も無い音は!
もう考えられるのは「エイジング」しかありません。
ということで、暫く我慢して使う事にしました。
使用頻度は多くなかったですが、そろそろいいでしょう。
2年前と同じ機器、同じ音源で改めて比較すると
・・・・・あれ、変わっている
解像度がVSA-AX1AHとほぼ変わりないどころか、MM8003の方が少し上。
低音も明らかに以前より出ている。
何よりガラスチャイムの音が途切れることなく、最後の余韻まで流れています。
あの驚異的な短さは錯覚だったのかと思える程の変化です。
のみならずMM8003にアドバンテージが。
バックから聞こえるグランドピアノが、少し重く響いてきます。
エイジングは科学的に証明されていないそうですが、この変化は勘違いと思えません。
てかガラスチャイムの音の短さは、(悪い意味で)あまりの衝撃で何度も聴き比べましたから。
ということで音の変化は感じ取れました。
が
それではわざわざパワーアンプとして、この製品を導入する価値があるかというと
価格に見合う音質向上とは、お世辞にも言えません。
TechnicsのSU-C7000は、これにしか出せない強烈なインパクトの音があり、例えアンプの切り替えが面倒でも、SU-C7000で音を聴きたいと思わせる価値と意味がありました。
流石に高級機との比較は酷ですが、それでもやはりMM8003を敢えて持つ価値を、私には見いだせません。
現状のAVアンプで十分カバーできる範囲の音質です。
後は本格的なAVプリアンプの導入でいかに変わるか、でしょうか。
Nuforce AVP-18あたりで試してみたい気もします。
でもそれならMCA-18とセットで使うか、普通・・・。