LUXMAN DA-200 と OPPO BDP-103JP を聞き比べてみた
LUXMAN DA-200のDACを利用してスピーカーから出力すると、解像度の高さが目立ち良い感じでした。
自身、DACを多く利用した事が無いため、他の機器とも比べてみたいと思います。
私の手持ちで、DAC専用機ではありませんが、有名なblu-rayプレイヤー OPPO BDP-103JPがあるため、それを使います。
DA-200はPCから、BDP-103JPはNASからファイル再生を行います。
以下の機器で視聴してみました。
PC:自作 Windows7 Corei5
再生ソフト:JRiver Media Center
USBケーブル:Transparent PUSB2
プレイヤー:OPPO BDP-103JP
AVアンプ:Pioneer VSA-AX1AH
パワーアンプ:marantz MM8003
SPケーブル:AudioQuest SR15/4
スピーカー:KEF Q500
電源BOX:CSE CX-63
電源コード:XLO PL1500
LUXMAN JPA-10000
S/A LAB HIGH END HOSE 3.5
比べてみた
2つのアルバムで聞き比べてみます。
アニメの主題歌になっている「ユキトキ」ですが、女性ボーカル、楽器の音、録音の質が良いと感じ、POPSの音確認で重宝しています。
ではでは視聴。
DA-200
まずは気持ちよいほどの解像度の高さが目立ちます。
そして比べて分かったのは、BDP-103JPより空間が広く感じる。
恐らくこの2点だけでも、気に入る方は多いかもしれません。
ボーカルは明確に定位するのではなく、少し全体に溶け込むような雰囲気で聞こえてきます。
ただ高音が少しシャリシャリ。
またBDP-103JPに比べると、低音が不足しているため、これをどう感じるか・・。
DA-200単体で聞く分には、解像度の好印象から低音不足はそこまで気になりませんでしたが、他の機器と比較した時に、物足りなさを覚えるようになりました。
それとBDP-103JPより若干、音が引っ込んで鳴っています。
ボーカル、楽器、空間表現と全体的にみると、総合的には決して悪くありません。
むしろPC音楽としての再現性はとても良く、POPSはヘッドフォンで聞くよりもスピーカーから鳴らす方が向いている機器かもしれません。
BDP-103JP
DA-200に比べると、何か薄い膜が1枚被さったように解像度が落ちます。
また空間が少し狭いような印象を受ける。
反面、低音はDA-200よりしっかり出ており、音も若干ですが前面に張り出して聞こえるため、DA-200より元気に音楽を鳴らせます。
高音もシャリシャリすることはありません。
ボーカルはBDP-103JPのほうが、明確な定位に感じる。
解像度は落ちますが、十分な低音と前面から出る音で、POPSはこちらで聞く方が私は好きです。
決定的なのは、DA-200はボーカルにも少しシャリシャリ感が残りますが、BDP-103JPにはそれが無い。
続いてはこれを。
ピアノの練習曲なのですが、音楽性がとても高く、子供のころ聞いたときは、これが練習のための楽曲とは思ってもいませんでした(笑)
クラッシックピアノ界では有名らしいアシュケナージの演奏。
ショパンの練習曲は幼い頃からいくつか聞いていますが、この演奏で特に驚いたのが「作品10 第5番 変ト長調≪黒鍵≫」のラスト。たたみかけるように力強く、スピード感のある終わり方は、これまで耳にしていた黒鍵とは全く異なり、衝撃を受けました。
良い音楽が多い当作品の中から「作品10 第5番 変ト長調≪黒鍵≫」と、私がショパンの練習曲で一番好きな「作品25 第1番 変イ長調≪牧童≫」 (別称:エオリアンハープ)を中心に聞きます。
DA-200
ノイズ感の無い解像度の高さが、とても高品質にピアノを聞かせてくれます。
単体楽器の印象は決して悪く無い。
「黒鍵」のスタートの軽快な音の響き、「エオリアンハープ」の優しい音色も、PC音楽の再現性としては、やはり素晴らしいと思います。
ただ敢えて言うなら、POPSは解像度が高いスピーカー出力で、クラシックは柔らかい音質のヘッドフォンアンプで、と使い分けるのがベストかも。
BDP-103JP
DA-200に比べると少し解像度は落ちますが、低音が増えるのはやはり違う。
例えピアノの高音域といえど、低音の有無によって雰囲気と重みが変わり、こちらのほうが「グランドピアノ」として聞ける。
特に「黒鍵」のラストの力強さは、圧倒的にBDP-103JPが好みです。
「エオリアンハープ」もDA-200より少しぼやけた感はありますが、こちらの方が全体的に柔らかい音質なため、優しい雰囲気に始終包まれ、この曲の音楽性をより深く味わえます。
こう比べると、DA-200は少し固いかもしれません。
ヘッドフォンからの音は柔らかいんですけどね。
以上の聞き比べで、本当はDA-200の高性能を確認するつもりだったのですが
BDP-103JPが想像以上に良い
もちろん好みによります。
DA-200の高解像度と空間の広さはBDP-103JPを上回っており、人によってはDA-200に軍配を上げるでしょう。
ですが私は、音が前に張り出してきて低音も十分にある、高音のシャリシャリ感が無いという点で、BDP-103JPからの出力が好印象でした。
BDP-103JPは本来、blu-rayプレイヤーです。
それにSACD対応、NASからのファイル再生、USBメモリーからならDSD(2.8kMHzまで)のネイティブ再生が可能など、かなり多機能な複合機なのですが、それに加えこの音質の良さは何というか、反則的な強さです。
コストパフォーマンスの高さが尋常ではありません。
ヤバイよ日本のメーカー・・・。
こうなると次からはBDP-103JPで音楽を・・・・となりそうですが、ところがそうもいかないのです。 それは
「操作性の悪さ」と「不安定さ」
全てにおいてリモコンの反応が悪く、思うように曲を選べません。
動きもかなり遅くぎこちないため、結構なストレスです。
そして音楽を流しっぱなしにしておくと、1時間ぐらいで高確率にフリーズ、選曲を受け付けなくなりますw
音楽は鳴り続けるのですが、選択のためのリモコン操作ができない。あろうことか曲の停止も不可能に。
そうなると唯一反応するHOMEボタンで、一旦TOPのメニュー画面に戻らなければ、どうにもならないのです。
これは音楽だけではなく動画ファイル再生でも頻出するため、現時点のファームウェアでは宿命なのかもしれません。
結局、長時間で色々と曲を変えたい時は、PCからの音楽になってしまうという。
一長一短ですね・・・。
DA-200とBDP-103JP、それぞれに違った魅力があります。
何と言ってもDA-200はヘッドフォンアンプとしても利用できます。
高解像度のDAC&柔らかい音のヘッドフォン出力という、背反的な複合力を持つDA-200。
特にヘッドフォンアンプはドライブパワーがあるので、SENNHEISER HD 800のような駆動力を必要とする機器も難なく鳴らせます。
対してBDP-103JPで私が重宝するのは、5.1chの音声ファイル、動画をマルチチャンネルのまま再生できること。
DA-200は2chになってしまうため、スピーカーでサラウンドデータを楽しみたいときは、BDP-103JPが大活躍。
※マルチチャンネルの音質比較は、機会があれば(気分が乗れば)やってみます。
ちなみにBDP-103JPの5.1chファイル再生の音質は結構イイ。
これからも2つをそれぞれ使い分けることでしょう。
全くの余談ですが、ショパンの「作品10 第1番 ハ長調」を聞くと
グラディウス的なシューティングを思い出すのは私だけでしょうか。