使ってみた いろんなオーディオ・PC機器

耳の良くない素人が、自分の持っている音響機器の感想を綴っています。

PC 音楽再生ソフトを比較してみた

オーディオは音を出力する側、いわゆる「下流」からお金をかけていくのが一般的です。
まずはスピーカー、次にスピーカーケーブル、アンプ・・・という流れ。

それに比べてPCオーディオは逆の「上流」、つまりは再生ソフト等を見直すのが音質向上の近道と言われています。

 

私がPCの音楽アプリで使用しているのは「JRiver Media Center」という外国の有料版です(使用言語は日本語を選べます)。

再生ソフトなんて無料が当たり前の昨今、約6,000円する有料プレイヤーをわざわざ買う価値があるのか? と当時は思ったものです。

そこで一ヶ月の体験版を利用してみたところ、あまりの多機能ぶりにほとほと感心させられ、迷わず購入しました。

非常に高音質と評される当アプリですが、機能面でも充実しており、有料・無料との歴然たる差を見せつけてくれます。

 

折角なので、今回は他の再生ソフトと音質比較をしてみましょう。

 

 

あまりこういったソフトを気にされない方は、何を使っているのでしょうね。
Windows Media Player かなぁ。

あれは使い勝手が酷すぎて、私は即 却下でしたけど。
シンプルな操作を目指したのかもしれませんが、どう扱っていいかが全く分からない。

Apple(というかジョブズ?)が確立した直感型デバイスに追従しようとしたかどうかは謎ですが、あまりにも思い通りにならない、且つどうすれば自分の思うように使えるかも分かりづらい。

Microsoftはやはりロジック型製品向け思考であり、人が意識せずとも自然に理解できるような操作性アプリの制作は難しいんだろうな、と思いました。

 

閑話休題

 

foobar2000」はプラグイン導入によるカスタマイズが豊富な、今となっては有名ソフトです。出た当時はこの宇宙人のアイコンf:id:zerysound:20141102152528p:plainから、ウィルスと思いました。
またスキンも多くのユーザーが作っています。

「Bug head Emperor」は日本の個人が制作されているソフト。
高音質で一部に名を馳せている、ちょっとマニアックなプレイヤー。

尚、今回は音質確認のため、使い勝手は度外視の評価です。
それを考慮に入れると「Bug head Emperor」は確実に終わってますw

イコライザー類の設定はデフォルト、WASAPI出力で確認。

 

以下の機器で視聴しました。

 

 PC:自作 Windows7 Corei5

 再生ソフト:JRiver Media Center
       foobar2000
       Bug head Emperor

 USBケーブル:Transparent PUSB2

 DAC / HPアンプ:LUXMAN DA-200

 ヘッドフォン:SENNHEISER HD 800

 電源BOX:CSE CX-63
 電源コード:XLO PL1500
       LUXMAN JPA-10000 

  
構成図

f:id:zerysound:20141026054610j:plain

 

 

比較してみた 

 

さくら(独唱)

森山 直太朗

http://ecx.images-amazon.com/images/I/61eIHsmPUHL._SL500_AA280_.jpg

 

この曲が発表されてから、もうすぐ10年なんですね。

ただこれは、10年経っても色褪せない、正に名曲だと思います。
卒業式で学生が歌うにもふさわしい歌詞と旋律ではないでしょうか。

郷愁漂う音律と、森山 直太朗さんの透き通るような声、歌唱力は、何度耳にしても飽きません。
私は春に限らず年中 聞いてます。

それぞれのプレイヤーで視聴開始。

 

 

JRiver Media Center  f:id:zerysound:20141102152340p:plain 


ピアノは力強く鳴っています。
ボーカルが他2つのプレイヤーと異なり、少しコーラスがかったような響きがあるため、これが良い塩梅に音をゴージャスに聞かせる。捉え方を変えると若干のクセとなりますが、私個人は好きな音です。

 

foobar2000  f:id:zerysound:20141102152528p:plain


スタートのピアノから迫力不足。フラットで立体感の無いボーカルが、残念度を更に増し増しにします。

他2つには及びません。
途中で聞くのを止めたくなりましたw
優れた点を見つけられません。

 

Bug head Emperor  f:id:zerysound:20141102152711p:plain


JRiver ほどコーラスがかかっておらず、かといって foobar2000 ほど寂しくも無い。
言ってしまえば、一番ナチュラルでバランスが良い。

ピアノの力感と音量が良く、ボーカルにも適度な厚みがあります。
もっと豪華な音を出すかと予想していましが、なかなかに正統派なサウンド。
恐らく大半の人が好感を持てる音ではないでしょうか。

 

Next Sound

 

 

月刊少女野崎くん 」オープニングテーマ

「 君じゃなきゃダメみたい 」

f:id:zerysound:20141102161318j:plain

 

友人から面白いと言われて見たアニメ。笑えました。

そしてオープニングの歌がお気に入りに。

録音状況も良いようで、様々な音が聞きやすいため、POPSの男性ボーカル確認用としてこれからお世話になりそうです。

 

JRiver Media Center  f:id:zerysound:20141102152340p:plain 


楽器もボーカルも、そつなく鳴らしています。

音の定位もそこそこに明確なため、JRiver だけで聞くのならば文句は無い。

ただ後から比較する Bug head が1ランク上の音を鳴らしているため、このプレイヤーはいわゆる「及第点」止まりに聞こえてしまいます。

いや、十分優秀なんですけどね。

 

foobar2000  f:id:zerysound:20141102152528p:plain


一言にすると「比較するのが可愛そう」なぐらい、他2つより劣ります。

開始のギターが驚く程ぼやけている・・・。
ボーカルはやはり「のっぺり」としており、楽器の響きが籠もってこれは辛い。

恐らく他のプレイヤーを聞いていなければ、そこまで気にしない方もいるでしょうが、JRiver と Bug head を使った後になると、音に関してはfoobar2000を選択する価値は無いかと・・・。

 

Bug head Emperor  f:id:zerysound:20141102152711p:plain


森山 直太朗の「さくら」では大人しいサウンドでしたが、こちらは何故か JRiver より派手に鳴り出しました。かなり謎です。

ステレオで聞こえるギターは、弦の強い引っかけまでも再現されているかのようなリアリティが出ている。
バックに流れる小さなピアノもハッキリと認識でき、各楽器の音が他2つのプレイヤーよりかなり明確に聞き取れ、且つボーカルはそれに埋もれる事なくしっかりと中央で歌っています。

この曲では圧倒的に Bug head の勝利でしょう。

 

 

Next Sound

 

 

e-onkyo musicのお試しハイレゾシリーズ、クラッシック版です。
このシリーズはお手頃価格でハイレゾ音源が買えるため気に入っております。

メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 - 第1楽章」と
ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 - 第4楽章」を中心に聞いてみました。

 

JRiver Media Center  f:id:zerysound:20141102152340p:plain 


メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 - 第1楽章」

foobar2000と比べることで、初めてヘッドフォンで「空気感」の違いを実感できました。
あちらでは聞こえないバックの音が響いており、それが音場全体の雰囲気を醸しだし、立体的で空気感のある音楽が再現されています。

 

ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 - 第4楽章」

Bug head には届かないものの、弦楽器や管楽器、フルートの音質も問題は無く、全体としてしっかりとまとまっています。
クラシックも十分に流せる高い水準でしょう。

 

foobar2000  f:id:zerysound:20141102152528p:plain


メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 - 第1楽章」

メインのヴァイオリンの音が、いつものように厚みが無く薄い。向こうが透けて見えるぐらいの極薄スライスハムです。

またバックで静かに流れる他の楽器の音が聞き取りづらいため、音楽全体の「空気感」が決定的に殺されています。

他のPOPS程に大きな音の差を感じにくいのが、ある意味幸いでしょうか。
目くじらを立てなければ、普通に音楽に浸ることは可能でした。


ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 - 第4楽章」

開始のストリングスの非力ぶりがフォロー不可。
他2つのプレイヤーには、やはり手が届かない。

全体的に音の再現性が甘く、オーケストラが がっかり音楽会になっています。
まぁ、これも過度に気にしなければ普通に聞けるレベルだとは思いますけど。 

 

Bug head Emperor  f:id:zerysound:20141102152711p:plain


2曲共に、他のプレイヤーより良い。

ストリングスの力感がとにかく素晴らしい。
管楽器のリアルさ、空気感も JRiver より一歩上に聞こえる。

JRiver と極端な差はありませんが、オーケストラの再現性は間違い無くこちらの方が上でしょう。

 

 

総 括

 

以上、3つのプレイヤーを比べてみましたが、かなり低迷していたのは、世間で最も使われているであろう「foobar2000」です。

JRiver と Bug head を使ってしまうと、foobar2000 で聞く機会は無くなりそうです。てかもう使いそうにありません。

JRiver Medea Center は中間的な位置で、可も無く不可も無くの優等生。

音質面では Bug head に旗が挙がるでしょうが、使い勝手やその多機能を含めると、日常的に使うのはやはり JRiver になります。

Bug head Emperor は今回、間違い無く1番の音を出していました。

個人の方が作成されているソフトですが、この音質は素晴らしいの一言。
使い勝手は壊滅的wですが、それでも良い方であれば試されるのも一興です。

 

尚、上記比較に載せていませんが、後から使ってみたらとんでもないダークホースなプレイヤーも。

それは

 

 

LUXMANが出しているPCプレイヤーですが、出来ることが最低限で超シンプルなことと、1曲を読み出す度に「Loading...」と、今の時代のPCからすると、あたかもファミコンディスクシステム並のローディング時間が存在するため、使用候補から外していました。

ただついでなので最後に聞いてみると

 

 

音が良いぞ・・・

 

ナンテコッタイ

あろうことか、どの音楽を流しても Bug head より良い。

クラシックは新世界のストリングスの力強さ・立体感が際立ち、POPSのボーカルは、少し主張したように前から聞こえ迫力が生じている。

少々コーラスがかったような音で、全体的に音が迫ってくる印象を受け、また楽器の定位が他のプレイヤーより明確に分かります。
今回比較に使った曲がどれも、この LUXMAN のプレイヤーを通した方が良く聞こえるという。

 

LUXMAN はオーディオメーカだからPCソフトの出来はそんなに良くないよね、という私の思い込みがあったようです。

ラックスマンオーディオメーカーだからこそ「音の聞かせ方」が上手い。

これまで長年蓄積した経験から、どのような音の鳴らし方をすれば音楽が良く聞こえるか、というのを知っているため、このような音作りにしているのかもしれません。

POPSもクラシックも万能に流せるのです。本当にたいしたもの。

ただ使い勝手がね。。。。

そこはやっぱりソフト制作専門じゃないから。
ソフト開発は外部委託しているかもしれませんが、本格的に作るつもりがあるかどうかは不明です。
どう見てもこのプレイヤー、やっつけにしか見えませんし・・・。


今回はプラグインイコライザーはデフォルトのまま使用していたので、それらを調整することにより、JRiver Media Center や foobar2000 はかなり変化すると思います。
この比較はあくまで個人の趣味主観としてお受け取りくだされば幸いです。
てか私のブログが全般的にそうなのですが。

 

しかし本当に面白いのは、以前にUSBケーブルの変更やDDCを導入しても、全く音の違いが分かりませんでしたが、プレイヤーを変えると一聴して気がつくレベルで変化します。 

PC音楽について「上流」の変更を求められるのは、確かな事でしょう。

使い勝手は勿論、自分に合った音質のプレイヤーを探すのもPCオーディオの楽しみかもしれません。